ラックスマン(LUXMAN):M-600A
“真”世代の血統。
その存在は、音楽のために― 気品を湛え凛とたたずむその姿が、純粋に音楽を伝える。
その存在は、聴く人のために― 音楽のダイナミクスが、灯火のように優しく語りかける。
比類のない音楽表現を獲得した真のフラグシップB-1000fの血統を受け継ぐ“真”世代のセパレート、M-600A。ストイックな表情に情熱を秘め、今ここに誕生。
フラグシップB-1000fは、ラックスマンの持つすべてのノウハウと、あらゆる物量を制限なく投入し完成させた、究極のパワーアンプです。実現されたのは4パラレル出力×4モジュールの圧倒的なドライバビリティ。
M-600Aでは、その思想と魅力的なサウンドを受け継ぐため、熟成を進めたODNF増幅回路を、好評の純A級仕様で採用しました。受け継いだものと新しく得たもの。ラックスマンは進化の歩みを止めません。
主な特徴
負荷にリニアに追従する大容量の出力構成と純A級動作による重厚な音質を実現した定格30Wのパワーブロック
パワーアンプの役割とは、まさにスピーカーにパワーを送り出し、十分にドライブすること。そのためには、入力された信号を忠実に増幅する性能と、接続されたスピーカーのインピーダンスと音楽のダイナミズムに追従した電源電流を瞬時に供給する能力が必要となります。M-600Aではこれらの要求を魅力的な音楽性と共に実現する策として、まずは増幅回路に純A級動作方式を採用。一般的にB級動作では、音楽信号の波形をアースレベル中心に上下に分割するため、合成時にその接続部分でクロスオーバー歪が発生しますが、個々のトランジスターが完全な波形増幅を行なうA級動作では、原理上合成時の歪がなく、なめらかで厚みのあるサウンドが得られると同時に、常に一定のアイドリング電流を流していることから、入力された音楽信号に瞬時に反応できるというメリットがあります。
また、フラグシップモデルB-1000fから受け継いだ高性能な4パラレル出力モジュールの採用により、8Ω負荷時に30W+30Wという定格出力は、4Ωで60W+60W、瞬間出力では1Ω/240W+240Wを実現。決して全ての帯域で一定ではないスピーカーのインピーダンスにリニアに追従することで、比類ないドライブ能力を誇ります。さらに、BTL設定により定格120W(8Ω)、瞬間出力480W(2Ω)というパワフルなモノラルアンプとしても活用可能です。
もちろん、基本回路には歪成分のみを音楽信号から抽出して最終段にフィードバックするODNF(Ver.2.3A)を搭載。ネガティブ・フィードバックによる美しい低歪のクオリティと、無帰還に近い初期スルーレートの速さと広帯域特性を両立しています。
※ODNFはOnly Distortion Negative Feedbackの略称です。
大容量のEI型電源トランスでスピーカーを強力にドライブ
CDプレーヤーなど、接続される様々な音楽ソースから送り込まれる瑞々しい音楽信号の持つエネルギーを余すことなく増幅し、接続されたスピーカーを十分に駆動するには、全てのパワーの源とも言うべき電源部が強力でなければなりません。M-600Aでは、オーディオ専用として開発された、定格680VAというゆとりある容量と、ピアニシモからフォルティシモまでの起伏の激しい音楽の再生時など、ここぞという瞬間にねばり強く対応するEI型ハイレギュレーション電源トランスを搭載。これにより、力強い低音の再生と、極めて小さな音量から大音量までの一貫した音楽のダイナミズムを伝えるクオリティの実現に成功しました。
大容量コンデンサーによる安定したパワー供給が可能なハイイナーシャ電源
高いレギュレーション能力を誇る電源トランスによって供給される電流は、独自にカスタマイズされた40,000μF(10,000μF×4)という大容量のブロックコンデンサー群に蓄えられ、増幅回路が大きなパワーを必要とするタイミングに瞬時に供給されます。反応の速い良質なコンデンサーを使用し、容量に十分な余裕を持たせた電源回路ブロックは、不規則に変化する入力信号に対して電源供給の時間差をほとんど生じさせません。そのため細かい電圧制御が不要になり、まさに重量級のアナログターンテーブルが自らの持つ慣性(イナーシャ)により滑らかに回転し続けるイメージを具現化した、安定度の極めて高い電源供給が可能になりました。
信号ラインの流れをスムーズにする伝統のラウンド配線パターン
回路を構成するパーツ類は全て、音質や音色を決定付ける大きな要素となります。M-600Aでは、フラグシップモデルB-1000fの長い開発期間の中で生まれた、音質最優先のオリジナル・カスタムパーツを大量に投入しています。ハイレギュレーションの電源トランスをはじめとして、材料の種類や配分を徹底的に検討したコンデンサーや抵抗、さらには入出力端子、各種ワイヤー類に至るまで、何度も試聴を繰り返して独自にカスタマイズされたこれらのパーツには、長年培ってきた技術やノウハウが込められており、そのクオリティが、単にシステムの性能を上げるためだけでなく、深い音楽性を求めるラックスマンの音を支えているのです。
ラックスマンの求める音のために専用開発された大量の高音質カスタムパーツ群
回路を構成するパーツ類は全て、音質や音色を決定付ける大きな要素となります。M-600Aでは、フラグシップモデルB-1000fの長い開発期間の中で生まれた、音質最優先のオリジナル・カスタムパーツを大量に投入しています。ハイレギュレーションの電源トランスをはじめとして、材料の種類や配分を徹底的に検討したコンデンサーや抵抗、さらには入出力端子、各種ワイヤー類に至るまで、何度も試聴を繰り返して独自にカスタマイズされたこれらのパーツには、長年培ってきた技術やノウハウが込められており、そのクオリティが、単にシステムの性能を上げるためだけでなく、深い音楽性を求めるラックスマンの音を支えているのです。
振動による悪影響を排除するグラデーション鋳鉄製インシュレーターレッグ
不要な振動の伝達はコンポーネントの安定した動作を阻害させるだけでなく、音質を大きく劣化させる原因ともなります。アンプ内部にあって大きなパワーの交流を扱う電源トランスは振動発生の原因となり、またスピーカーから出る音圧は床やラックを伝い、アンプへの外来振動となります。これらによって各パーツが振動し、微細な音楽信号に悪影響を与えるのです。シャーシと設置面とをつなぐレッグには、アンプ内部で生じる振動を素早く外部に逃がすと同時に、外来振動を断ち切る役目があります。M-600Aのインシュレーターレッグに使用されているグラデーション鋳鉄は、溶けた鋳鉄を急冷することで中心部から周辺部に向かって金属組織が徐々に小さくなるという特性を持っているために共振が起こりにくく、振動による悪影響を排除するために最適な材料です。
音楽を感じさせるエクステリアと内包されたループレスシャーシ構造
M-600Aのフロントパネルは、今やラックスマンのアイデンティティとも言えるシックなブラスターホワイトで仕上げられています。柔らかな曲線を描くアルミパネルのシンプルなサイドライン、淡いイエローのライトが滑らかに上下するアナログマインドあふれるM-600Aのイルミネーションメーターなど、魅力的なデザインが視覚からも音楽を感じさせます。
また、シンプルな外装に隠された内部コンストラクションには、アースインピーダンスの上昇や磁界発生の原因となり、音質劣化をもたらすシャーシ電流にも目を向け、筐体によるアースループを発生させないループレスシャーシ構造を採用しています。ラックスマンは音の純度を高めてより音楽の感動を強めるため、コンポーネントを構成するあらゆる箇所に対し徹底的に対策を施しているのです。
主な仕様
連続実効出力 | 30W+30W(8Ω)/ステレオ時 60W+60W(4Ω)/ステレオ時 |
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最大出力 | 240W+240W(1Ω)/ステレオ時 480W(2Ω)/BTL時 |
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入力感度 | 550mV/30W(8Ω)、GAIN 29dB | ||||||
入力インピーダンス |
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全高調波歪率 | 0.009%以下(1KHz、30W/8Ω) 0.1%以下(20Hz~20KHz、30W/8Ω) |
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周波数特性 | 20Hz~20KHz(+0、-0.2dB) DC~130KHz(+0、-3.0dB) |
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S/N比 | 114dB(IHF-A) | ||||||
ダンピングファクター | 350/8Ω | ||||||
入力 | アンバランス 1系統、バランス 1系統 | ||||||
出力 | 大型スピーカー端子 1系統 | ||||||
付属装置 | [フロントパネル] オペレーション・スイッチ、オペレーション・インジケーター |
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電源電圧 | AC100V(50/60Hz) | ||||||
消費電力 | 290W(電気用品安全法の規定による) 290W(無信号時)、3.8W(スタンバイ時) |
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外形寸法 | 440(幅)×189(高さ)×420(奥行き)mm | ||||||
重量 | 26.5kg | ||||||
付属品 | 電源ケーブル(JPA-10000) 専用リモートケーブル |