ラックスマン(LUXMAN):L-590AX
音楽の香気とオーディオの真髄。
純A級が手に入れた先進のアーキテクチャー。
ラックスマンの純A級プリメインアンプがXシリーズへとついにフルモデルチェンジを果たしました。プリメインアンプ初搭載となる、高純度電子制御アッテネーターLECUAや、独自の高音質帰還回路ODNF3.0Aの採用など、新たな技術を積極的に取り入れながら、筐体構造を始めとする、高品位なオーディオアンプを構成するあらゆる要素を再構築。純A級アンプの真骨頂=香気あふれる音楽表現を堪能できると同時に、これまでセパレートアンプで語られてきた解像力や空間再現力といったオーディオの真髄を高次元のレベルで身につけることに成功しました。
映像
LUXMAN 純A級/AB級プリメインアンプ比較試聴 〜東京インターナショナルオーディオショー2013
主な特徴
高純度な音量調節機構、電子制御アッテネーターLECUA
リスニングスタイルに合わせて最適な音量調節が必須であるオーディオアンプにとって、純度の高いアッテネーターの採用は必要不可欠です。ラックスマンがL-590AXのために開発した電子制御アッテネーターLECUA(Luxman Electric Controlled Ultimate Attenuator)は、音量調節時における音質の劣化を最低限に抑えたシンプルな抵抗列構成のアッテネーター。これまでコントロールアンプ・シリーズにのみ内蔵されてきた大規模な回路ブロックをプリメインアンプ用にコンパクト化した最新バージョンを搭載しました。切り替え音を大幅に低減したゼロクロス検出スイッチング方式や音楽のスケール感を損なわない大容量カスタム抵抗の採用で、純A級アンプならではのなめらかで豊潤な質感に見通しの良さや解像感が加わりました。リモコンに連動し、アッテネート量を設定する摺動型ボリュームの直感的なフィーリングは従来モデルを踏襲。操作時の高い質感も実現しました。
音楽の歪成分のみをフィードバックする、ODNFバージョン3.0A
独自の負帰還回路ODNF(Only Distortion Negative Feedback)は、増幅回路の出力から歪成分のみをフィードバックすることにより、初期スルーレートの速さと超広帯域を獲得するラックスマンのサウンド思想の基盤となっている回路です。ODNFは1999年の登場以来着々と進化を遂げ、L-590AXでは差動アンプの入力段をパラレル化し歪の検出精度を高くすることで、再生時における聴感上のS/N比を大幅に改善し、音楽のスケール感や表現力の向上を果たしました。
歪の少ない上質なサウンドをもたらす純A級動作
L-590AXの出力段には、きめ細かくかつダイナミックにスピーカーを駆動する純A級動作の増幅回路を採用しました。トランジスターを常に動作領域に置き、波形のスイッチングを伴わないA級動作では、クロスオーバー歪が発生しないことによる音質的メリットのみならず、音量に関わらずフルパワー分のアイドリング電流を流し続けていることによるエネルギーに満ちたサウンドが魅力です。
高い慣性力の大容量電源ブロック
刻々と変動する音楽信号や様々な負荷にリニアに追随するため、高いレギュレーション性能のEI型電源トランスと、10,000μF×4本の大容量ブロックコンデンサーを組み合わせた、瞬発力と安定感を兼ね備えたハイイナーシャ(高慣性)電源を構成しました。また、電源トランスをケースレスにすることで、広がりと開放感のあるサウンドを実現しました。
音楽のダイナミズムを伝える強力な出力段
L-590AXは3パラレル・プッシュプルの出力構成による30W+30W(8Ω)と、必要充分なパワーを純A級増幅方式で確保。様々なスピーカーのインピーダンス特性に余裕を持って対応し、純A級による密度感の高い音楽表現とセパレートアンプに匹敵する高いドライバビリティを両立しました。
ドライブ力を向上するパラレル・スピーカーリレー
大規模な電源回路や出力回路による高い駆動力を生かすため、低抵抗値の大容量スピーカーリレーをパラレル接続で使用することで、大電流時に信号のスムーズな流れを妨げる伝送路上のボトルネックを解消し、ダンピングファクターの大幅な向上を果たしました。細かなこだわりの積み重ねが、音楽の迫力あるスケール感を描き出します。
配線にも及ぶフルモデルチェンジの思想
Xシリーズではフルモデルチェンジに伴い、筐体をラックスマン新スタンダード・サイズである横幅440mmに変更。内部構成を再検討し、配線経路が合理的で最短となる「ビーライン・コンストラクション」を新設計しました。また、なめらかな曲線を描くことでスムーズな信号の流れを実現するラックスマン伝統のラウンド配線パターン基板も採用しています。
音質を優先して厳選された独自のカスタムパーツ
音楽性豊かな製品に仕上げるためには試聴を重ね選択、カスタマイズしたパーツが必要です。クロストーク性能に優れた入力セレクター部のスイッチICや直流電圧への変換効率が高いショットキーバリア・ダイオード、芯線に非メッキ処理を施し自然な信号伝送を実現したオリジナルOFCワイヤーの採用など、随所にクラフトマンシップがあふれています。
グラデーション鋳鉄レッグとループレスシャーシ
床面やオーディオラックから伝わる外来振動を排除するため、L-590AXのインシュレーターには共振が起こりにくいグラデーション鋳鉄製レッグを選択(L-550AXはアルミ仕上げ)。また、シャーシ電流によるアース・インピーダンスの上昇や発生磁界の影響を隔絶するループレスシャーシを採用するなど、高性能な電気回路をサポートするための筐体の構成も万全です。
高級感を演出する照明付きアナログメーター
プリメインアンプ・シリーズのデザイン的シンボルともいうべき大型の針式メーターには、音楽のダイナミズムと針の振れがシンクロするdB表示を採用。LEDによる照明は手動によるオン/オフ時の点灯/消灯速度にもこだわり、柔らかいイエローのイルミネーションは精細な仕上げを施したブラスターホワイトのボディに高級感あふれる表情を演出します。
レイアウトにこだわった入出力端子と機能性
入出力には大型プラグも装着できる18mmピッチのRCA端子やYラグ、バナナ端子にも対応する配線の容易なインラインレイアウト(横一列)のスピーカー端子を採用。高品位なヘッドフォン出力や本格的なレコード再生を楽しめるMM/MC対応の内蔵フォノアンプ、プリ/パワーアンプの分離が可能なセパレートスイッチなど、高い機能性はプリメインアンプの真骨頂です。
精度と質感を高めた各種コントロールノブ
ボリュームやインプットセレクターには重量感のある大型ノブを、スピーカー切り替えやトーンコントロールなどを行う6つのツマミには富士山のフォルムをモチーフとした上質な「富士ノブ」を採用。フロントパネル付近に一切の音声信号を経由しない電子制御による操作を実現しました。また、大型ベンチレーションにより、従来よりも機器の放熱効果を高めました。
標準電源ケーブルとアルミ製リモコンを付属
L-590AXでは電源ケーブルの着脱が可能なACインレット方式を採用。電源ケーブルはノンツイスト構造が聴感上の周波数のうねりを解消し、伸びやかな音質が得られるJPA-10000を付属しています。また、フロントパネル上の全ての操作と、対応するCDプレーヤー※の主要な操作が可能なアルミ製高級リモコンも付属しています。 ※対応CDプレーヤー : D-08、D-06、D-05(2011年3月現在)
主な仕様
連続実効出力 | 30W+30W(8Ω)、60W+60W(4Ω) |
---|---|
入力感度/入力インピーダンス | PHONO(MM):2.5mV/47kΩ PHONO(MC):0.3mV/100Ω |
出力電圧 | REC OUT:180mV、PREOUT:1V |
周波数特性 | PHONO:20Hz~20kHz(±0.5dB) LINE:20Hz~100kHz(+0、‐3.0dB) |
全高調波歪率 | 0.005%以下(8Ω、1kHz) 0.02%以下(8Ω、20Hz~20kHz) |
S/N比(IHF‐A) | PHONO(MM):91dB以上、PHONO(MC):75dB以上 LINE:107dB以上 |
増幅回路 | ODNF3.0A |
出力構成 | バイポーラ・3パラレルプッシュプル |
電源トランス | EI型640VA |
ダンピングファクター | 240 |
トーンコントロール最大変化量 | BASS:±8dB at 100Hz TREBLE:±8dB at 10kHz |
電流電圧 | AC100V(50/60Hz) |
消費電力 | 280W(電気用品安全法の規定による) 220W(無信号時)、0.4W(スタンバイ時) |
外形寸法 | 440(幅)×193(高さ)×463(奥行き)mm 奥行きは前面ノブ20mm、背面端子36mmを含む。 |
重量 | 28.2kg(本体) |
付属品 | リモコン(RA-17) 電源ケーブル(JPA-10000:極性マーク付) |